『ラヴ・レター』
12月13日、新刊ができあがりました。
11冊目です。
念願といってもいい、小島信夫の新しい短篇集です。
この作家に惹かれたのは、多くの人と同じく、保坂和志さんを
はじめとする、近年の「再発見」の文脈からです。
どの作家にも似ておらず、書くことの喜び、驚きにあふれ、
ときに、凄みとしか言いようがない、文章に出くわす。
そこになにが書いてあるのか、明確には言い表せないのですが、
いつ読んでも新しい。そんな作家だと思います。
この『ラヴ・レター』には、著者の最晩年にあたる、
90年代後半から2000年代に発表された短篇を、
9篇収録しています(1編のみ80年代)。
すべて、単行本未収録作品。
「厳島詣」(1996年)
「夢」(1997年)
「すべて倒れんとする者」(2003年)
「青ミドロ」(2003年)
「ラヴ・レター」(2004年)
「記憶」(2004年)
「小さな講演のあと」(2004年)
「浅き夢」(1986年)
「ある話」(2000年)
表題作「ラヴ・レター」は、妻から夫への、手紙。
文学に興味をもつ、多くの人に読んでもらいたく思っています。
堀江敏幸さんによる、巻末の文章、
「あなた、今までどこにいたの ーー 『ラヴ・レター』によせて」
も、素晴らしいです。
ぜひ、書店店頭で、ご覧になってください。
『ラヴ・レター』
著者:小島信夫
装画:O JUN
デザイン:櫻井久
判型・頁数:四六判・上製・272ページ
価格:2,310円(本体:2200円)
取次:JRC(すべての取次からの搬入が可能です)
ISBN:978-4-904816-11-0 C0093
カヴァーをとると、こんな感じです。