『1968』はおもしろい。
毎朝、毎晩、小熊英二の『1968』を読んでいます。
出勤前と、寝る前。
これが、やはり、とても、おもしろい。
学生運動は、私(1976年生まれ)などの世代からすれば、
なにがなんだかわからない代物でした。
わからないけれども無性に気になるゆえ、当時の日記や、
有名な遺稿集などを手にとって読んでみるのですが、
それでも、ぴんとこない。
左翼文法が邪魔をする。
なんでこんなに熱いんだ、
とむしろ訝る。
けれども、この書籍はその全体に迫っています。
小熊英二の著作がいつもおもしろいのは、彼が、
これまでにない角度や発見に肝を砕くのではなく、
常に、対象の全体を見渡そうとしているからだと思います。
あらゆる事象は相対化され、それに合わせて、
文章はますますニュートラルに冴えわたる。
おもしろいです。
現在、上巻の650ページまで読んだところ。
我々と実はそんなに変わらない当時の学生の心境に、
毎日、心を動かされています。