本年5月14日にアメリカ文学者の井上謙治先生がお亡くなりになりました。
97歳でした。
弊社は最初の本『レンブラントの帽子』でお世話になり、先生のお話会を
主催したこともありました。
先生は戦後間もないころ、学ばれていた東京大学で、なぜアメリカ文学なんかを
取り上げるのか、と卒論の指導教授からいわれた、と話されていました。
当時は海外文学といえばヨーロッパであり、アメリカ文学は大学で学ぶのに値しない
くらいに思われていたようです。
先生は米兵たちが置いていったペーパーバックで、サリンジャーやスタインベックに
出会ったとおっしゃっていました。
先生が訳されたのは、マラマッド、フィッツジェラルド、サリンジャー、スタインベック、
シンガー、アップダイクといったアメリカの文学者たちの作品です。
日本におけるアメリカ文学紹介の立役者のひとりでした。
お悔やみを申し上げます。