『レンブラントの帽子』が今朝の毎日新聞、朝刊に!
今日一日は、興奮しっぱなしで、もう、なんともなりません。
先週18日のラジオの紹介効果もあり、おかげさまで、
『レンブラントの帽子』、じわり、じわりと売れています。
それ以外にも、うれしい、ブログの記事を二つ発見。
三省堂書店 公式ブログ
担当者さんが力を入れて下さっています。
売れているらしいです。
うれしいです。
もちろん、夏葉社も、本当に微力で、哀しいくらいですが、
三省堂書店さんを応援しています。
お近くに寄られたら、ぜひ、表紙の「レンブラント」に、
会いに行ってみてください!
神保町本店の、Mさん、Sさん、本当にありがとうございます!
今日は何を見て、読んだやら
如月カカシさんのブログ。
「ああ この感覚。
なんだか懐かしい。
国語の時間を思い出す。
ていねいに文章を味わっていく あの作業だ。
そういえば 読むって こういうことだったなあ。
最近の私は 筋ばっかり追っているということに気づかされた一冊。」
小社にとって、最高の、賛辞です。
じっくり時間をかけて読めば、必ずこたえてくれる。
それが、文学だと思います。
如月様、取り上げていただき、ありがとうございます。
それと、古本専科 ピノキオブックスさんでも、
『レンブラントの帽子』の取り扱いが、始まっております。
良心的な価格で、良書を譲ってくださる、ネット古書店です。
書籍1冊1冊に対するコメントに、愛情を感じます。
ぜひ、ぜひ、覗いてみてください。
小社は、今日(日曜日ですが)、日本で一番、幸せな会社だと思います。
月: 2010年5月
『レンブラントの帽子』の概要
『レンブラントの帽子』の概要
本日、『レンブラントの帽子』が、
TBSラジオ、「森本毅郎・スタンバイ!」にて、紹介されました!
紹介してくれたのは、本作品の巻末エッセイを執筆者でもある
荒川洋治先生。
聴き逃された方は、ポッドキャストでも聴くことができますので、
ぜひ!!
そこで、あらためて、『レンブラントの帽子』の概要について、
書きたいと思います。
というより、これまでHP上に、ちゃんとしたものを、
書いておりませんでした。
大変失礼いたしました。
バーナード・マラマッド
1914年、ロシアからアメリカに移住してきたユダヤ人を両親として、
ブルックリンに生まれる。ニューヨーク市立大学を経て、苦学の末、
コロンビア大学大学院修士号を取得。以後、教鞭をとりながら、
社会を生きる人間の姿を、細やかな筆致と、独特のユーモアで描き続けた。
代表作に、『アシスタント』(The Assistant・1957)、
『魔法の樽』(The Magic Barrel・1958)、
『修理屋』(The Fixer・1967)など。
86年没。
アメリカでもっとも権威のある賞のひとつといわれる、
全米図書賞を2度受賞しています(1959『魔法の樽』、1967『修理屋』)。
1960年代から70年代にかけて、マラマッドのほとんどの作品は
邦訳されましたが、現在新刊書店で手に入るのは、本作品と、
『喋る馬』(柴田元幸訳 スイッチ・パブリッシング 2009)だけ。
大作家です。
『レンブラントの帽子』(夏葉社版)
絶版になっていた短編集『レンブラントの帽子』から、
主要な3作品を収めています。
「レンブラントの帽子」
同じ美術学校の同僚である、二人の教師は、何気ない会話のあとで、
決定的に仲たがいしてしまう。
おれの何が悪かったのだろう、と悩む30代の男と、何がそんなに
自分を悲しませ、腹だたせるのかわからない、40代の男。
二人の内面の葛藤と和解。
「二0世紀アメリカ文学のなかでも屈指の短編」(荒川洋治)であり、
だれもが経験する日常の心の揺れを描いた、感動作でもあります。
「引出しの中の人間」
ソ連時代のめぐまれないロシア作家は、旅行に来ていた、見知らぬ
アメリカ人に、出版の融通をしてくれ、と何度も何度も頼みこむ。
車で追っかけ、口角泡を飛ばし、激昂しながらも、哀切に満ち溢れた
ロシア人と、彼に惹かれながらも、ソ連という国に怯える、アメリカ人。
マラマッド流のユーモアも盛りだくさん。しかし、やはり、ものがなしい。
それが、マラマッドの魅力だといえます。
本作品は、1969年のO・ヘンリ賞(First prize)の受賞作でもあります。
「わが子に、殺される」
「ハリィ、どう言ったらいいのかな。
でも、人生なんて決して楽なもんじゃないんだよ。
それだけしか、わしには言えない。いつからそうなったんだって?
それはわしのせいでもなけりゃ、お前のせいでもないさ。
それが人生なんだ。人生ってものは、そういうものなんだ ――
それ以上のことは、わしには言えないよ。
でもなあ、人間、生きる気持ちがなくなってしまえば、死んだも同然で、どうにもらないんだよ。
ぜんぜん、どうしようもないんだ。どうしようもないってことは、どうしようもないことなんだ。
生きるほうが、まだマシなんだよ」
ひきこもる息子を追い求める、父の姿。
14ページの短い物語ですが、心にしみわたります。
全国主要書店、そしていくつかの古書店、インターネット書店でお取り扱い中です。
もちろん、全国のすべての書店からご注文できます。
なにとぞ、よろしくお願いいたします!
『レンブラントの帽子』配本店リスト
『レンブラントの帽子』配本店リスト
初回配本になりました、書店さんのリストです。
早いところで、先週の金曜日から、
遅いところでも、今週の水曜日には、
店頭に並ぶかと思います。
ぜひ、お買い求めくださいませ!
北海道 北大生協
秋田県 ジュンク堂秋田店
宮城県 あゆみ仙台青葉通り店
群馬県 文真堂前橋店
栃木県 うつのみや本店
茨城県 アカデミアつくば店
埼玉県 ジュンク堂大宮ロフト店
ブックデポ書楽
ブックファースト川越店
千葉県 芳林堂津田沼店
東京都 東京堂
三省堂書店本店
書泉グランデ
啓文堂書店神田店
八重洲ブックセンター
青山ブックセンター丸ビル店
丸善丸の内店
丸善日本橋店
青山ブックセンター六本木店
青山ブックセンター六本木ヒルズ店
ブックキューム朝日新聞店
ブックファースト銀座コア店
有隣堂ヨドバシAKIBA店
ジュンク堂新宿店
ブックファースト新宿店
ブックファーストルミネ新宿1店
ブックファーストルミネ新宿2店
紀伊國屋書店本店
紀伊國屋書店新宿南店
紀伊國屋書店渋谷店
啓文堂書店渋谷店
文教堂渋谷店
ブックファースト文化村通り店
リブロ渋谷店
青山ブックセンター本店
放文社
東京大学生協 本郷書籍部
國學院大学生協
ブックス246
リブロ青山店
流水書房青山店
流水書房広尾店
あゆみブックス五反田店
ブックファースト五反田店
ブックファースト自由が丘店
三省堂書店成城店
書原杉並店
ジュンク堂池袋店
リブロ池袋店
旭屋書店池袋店
芳林堂高田馬場店
あゆみブックス早稲田店
早大生協コーププラザ店
早大生協戸山店
丸善立教学院事業部
丸善上智大学店
往来堂書店
ブックス音羽
ブックファーストアトレ大森店
紀伊國屋書店ららぽーと豊洲店
くまざわ書店蒲田店
くまざわ書店錦糸町店
有隣堂アトレ亀戸店
啓文堂書店府中店
くまざわ書店カリヨン店
くまざわ書店桜ヶ丘店
有隣堂町田店
あおい書店町田店
啓文堂書店吉祥寺店
リブロ吉祥寺店
百年
ブックス文堂
オリオンノルテ店
オリオンアレア店
オリオンルミネ店
ペーパーウォール立川
有隣堂八王子店
神奈川 有隣堂本店
紀伊國屋書店横浜店
紀伊國屋書店ららぽーと横浜店
有隣堂ルミネ横浜店
あおい書店川崎店
アカデミア港北店
ミヤコヤ書店
ブックファースト青葉台店
くまざわ書店ランドマーク店
文教堂本店
慶応大学生協三田店
関東学院大学生協
神奈川大学生協
愛知県 三省堂書店名古屋高島屋店
三省堂書店名古屋テルミナ店
紀伊國屋書店名鉄店
ジュンク堂名古屋店
リブロ名古屋店
旭屋書店名古屋ラシック店
丸善栄店
ちくさ正文館
京都府 アバンティブックセンター
三省堂書店京都駅前店
紀伊國屋書店京都店
ジュンク堂京都店
ジュンク堂京都BAL店
ブックファースト京都店
恵文社一乗寺店
ガケ書房
善行堂
大阪府 旭屋本店
紀伊國屋書店梅田店
紀伊國屋書店本町店
ブックストア談新大阪店
ブックファースト梅田店
ジュンク堂大阪本店
ジュンク堂梅田店
ジュンク堂千日前店
ジュンク堂難波店
ジュンク堂天満橋店
旭屋なんばシティ店
旭屋天王寺MIO店
長谷川書店
関西大学生協
兵庫県 海文堂書店
ジュンク堂三宮駅前店
ジュンク堂西宮店
ブックファースト西宮ガーデンズ店
福岡県 紀伊國屋書店福岡店
丸善福岡ビル店
アカデミア小倉店
長崎県 紀伊國屋書店長崎店
大分県 ジュンク堂大分店
沖縄県 ジュンク堂那覇店
『レンブラントの帽子』の予約店
『レンブラントの帽子』の予約店
いよいよ、来週末くらいに、
『レンブラントの帽子』が、書店に並びます。
もちろん、日本全国すべての書店で注文して
いただくこともできますが、下記の書店にて、
現在、事前予約を受けつけております。
お手元に届く本は同じですが、一日でも早く、
という方には、お勧めです。
そして、どの書店さんも、本を愛する人たちばかりです。
心のこもった書店さんから届く本は、どこか、違います。
直接会った人がほとんどなので、間違いありません。
京都 善行堂
ブログでも、たびたび取り上げていただいています。
銀閣寺に行かれる際は、ぜひぜひ、寄ってみてください。
山本さんと話しに行くためだけに、京都へ行っても損はしないと思います。
大阪 長谷川書店
長谷川さんのお人柄に、惚れっぱなしです。
大好きです。
岐阜 徒然舎
心あたたまるネット書店。暮らしと文芸。
『レンブラントの帽子』と一緒に、その他の本もどうぞ。
bk1
言わずとしれた、ネット書店。
海の物とも山の物ともつかない小社に、一番最初に声をかけてくださいました。
本当にありがとうございます。
なぜ、『レンブラントの帽子』を?
なぜ、『レンブラントの帽子』を?
「マラマッド、地味な作家だね~」
と、言われることがあります。
けれど、そう言われることのほうがまれで、
「マラマッド? わからない」
と言われることのほうが多いです。
では、なぜ、『レンブラントの帽子』を、
刊行したいのか。
時計は、ずいぶん、さかのぼります。
2001年5月に出版された『文学が好き』
(荒川洋治 著 旬報社)という本があります。
私は、発売間もないころに、このエッセイ集を買い、
何度も何度も、読み返していました。
その中のエッセイのひとつに、
「21世紀への10冊」というものがあります。
荒川洋治が、「21世紀に読み継ぎたい10冊」
を選ぶのです。
その中の1冊が、『レンブラントの帽子』でした。
「マラマッドやシンガーの短編の世界を知ると、他のあらっぽいものでは
とても楽しみが得られないと思ってしまう。」(『文学が好き』P200より)
しかし、当時は絶版で(1975年刊行)、
いろんな古本屋を探してみても、この本に出会うことが
できませんでした。
当時は、いまほど、ネット古書店は多くなく、また、
当時の私は、ネット古書店よりも、実際に古本屋に足を運ぶ
ことのほうが好きだったのです。
だから、世田谷の古書店で、この本に出会った時は、震えました。
本当はこんな本ないのではないか? くらいに思っていましたから。
1975年に集英社から出た『レンブラントの帽子』には、
8つの短編が入っています。
しかし、多くの短編集がそうであるように、すべてがよいわけでは
ありません。
けれど、表題作、「レンブラントの帽子」の良さは格別でした。
本当に、胸をうつ。
地味で、誰にでもおこる、他愛もない話なのに、心にしみる。
私は、以来ずっと、この短編はもっと読者に知られるべきだと思ってきました。
文学ファンにも、文学ファンじゃない人にも。
大傑作だと思っています。
本当に、もうすぐ出ます。
5月14日に取次納品の予定です。
どうか、よろしくお願いいたします。