二冊目の復刊は、『昔日の客』という本です。

二冊目の復刊は、『昔日の客』という本です。
昔日の客の肖像
『昔日の客』という本を、ご存知ですか?
東京大森にあった古書店、「山王書房」の店主、
関口良雄氏がつづった、古本随筆です。
恥ずかしながら、僕は、知りませんでした。
あるブログで、紹介されたのです。
これはとてもいいから、と。
しかし、探しても、探しても、見つけることができません。
詳しい方に聞くと、1万円くらいで店に出ても、
すぐに売れてしまう本だよ、と言われました。
僕は、国立国会図書館で読みました。
今年の6月のことです。
冒頭の「正宗白鳥先生訪問記」を読んで、
すっかり感動してしまいました。
それは、こんなふうに、はじまります。
今年の二月だったか、私は正宗白鳥先生の初版本二十数冊を落札した。
最初から自分の蔵書とする積りだったので、値段の高い安いは苦にならず、
入手出来た時の喜びは例えようもなかった。私はその夜枕元に正宗先生の
本を積んで寝た。その故か一晩中先生の夢を見続けた。
古本屋と、文学を愛する、すべての人に、読んでもらいたい本です。
9月下旬~10月中旬、刊行予定です。
定価は税抜きで、2300円~2500円ほどを、予定しています。
出来得るだけ早く、出来得るだけ安く、お届けしたいと思っております。
もちろん、よい造本で!
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
『レンブラントの帽子』をお取り扱いいただいている書店さんで
お取り扱いいただく予定です。
営業も、がんばります!

今度は5位!

今度は5位!!!
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三省堂書店神保町本店さんで、
本日、見てきた文芸書ランキングです。
『レンブラントの帽子』が、
ご、ご、ご、5位?!
寿命が3年くらい縮まっても、大丈夫です。
それくらい、うれしいです。
お買い上げいただいた皆様、
本当に、ありがとうございます。
本当に、本当に、ありがとうございます。

本日発売のサンデー毎日で、『レンブラントの帽子』が紹介されました。

本日発売のサンデー毎日で、『レンブラントの帽子』が紹介されました。
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評者は、あの川本三郎さん。
タイトルは、「隣人を愛する事は難しい」。
「人類を愛するのは簡単だが、隣人を愛するのは難しい」
ではじまる、とても、とても、魅力的な文章です。
1ページまるごと、『レンブラントの帽子』です。
書店や駅の売店などで、ぜひ、お手にとってみてください!

三省堂書店神保町本店の文芸ランキングで……。

三省堂書店神保町本店の文芸ランキングで……。
なんと、『レンブラントの帽子』が8位です!
2週間前の話なんですが。。。
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この目で見たときは、
出たこともないような
熱い汗が、体から出ました。
すごい、と思います。
と同時に、Mさん、Sさん、
買っていただいた読者の方、
おひとり、おひとりに、
心から感謝です。
本当に、ありがとうございます。
まだまだ、並んでおりますので、
お近くにいらした際は、ぜひ!

『レンブラントの帽子』翻訳夜話

『レンブラントの帽子』翻訳夜話
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 僕がやった翻訳で、いちばん印象深いものはアップダイクもあるけど、
 濱本さんと小島さんと一緒にマラマッド『レンブラントの帽子』を翻訳したとき。
 とにかく原稿を見ながらしゃべっているとすぐ文学談義になっちゃうわけ。
 (『英語青年』2007年8月号 ―井上謙治氏に聞く―より)
『レンブラントの帽子』は、小島信夫先生、
浜本武雄先生、井上謙治先生による共訳です。
奇しくも、その時、先生方はみな、明治大学で
教鞭をとっていらっしゃいました。
先生方は授業が終わると、膝を突き合わせて、
3人で翻訳をしました。
つまり、この共訳は、誰がどの短編を担当するとか、
誰が手を動かして、誰が監修をするか、
といったものではなく、本当の意味での、
共訳だったわけです。
 小島教授を主任とした、われわれ明治大学工学部英語科教員の集まりを、
 「小島学校」と呼ぶ人もあった。たしかにそれは、学校のなかの学校かも
 しれないが、私にはむしろcolony(精神の共同体)とでも呼びたいような
 嬉しさがある。
 (『小島信夫をめぐる文学の現在』―濱本武雄「コジマ・コロニイ」―より)
その中でも、最年長であり、当時、作家としても
円熟期を迎えていた小島先生が、訳文の、
大きな方向性を示していたようです。
 翻訳の作業中、(小島)先生はしきりに原文に忠実であることを要求され、
 原作者の立場に身をおき、『書く手つき』に思いを致さなければ原作者に
 たいして失礼である、と言われた。そのことはその頃『文藝』に出た
 「表現のたのしみ」という日野啓三氏との対談で、先生も書いていられる。
 「ぼくはそれでもいいけれども、もっとこのまま訳しちゃったほうが
 いいのじゃないかと言った。~略~(マラマッドは)その一行でわかる
 ようになっていない作家なんですよ。それが喜びで書いているのだから、
 解釈を過大にしてしまうと、何のためにこの小説を書いているのか、
 全体から言ってもわからなくなるのではなかろうか」
 (『小島信夫をめぐる文学の現在』―井上謙治「小島先生とアメリカ文学」―より)
短編集『レンブラントの帽子』を読む楽しみは、
文学を読む楽しみ、とほとんど同義です。
それは、文学を考える楽しみ、と言い換えてもいいし、
もっと言えば、人生を考える楽しみ、と言っていいかもしれません。
 かつて彼(マラマッド)は自己の文学について次のように語ったことがある。
 「私は、読者に、考え、考えぬかせて、やがて物語が読者の心の中で展開し、
 ちょうど心の中で花が開くようになるまで、考えさせたいのです」
 (『アメリカ読書ノート』井上謙治―マラマッドを悼む―より)
心の中で花が開く短編です。
ぜひ、何度も、読み返してみて下さい。

なぜ、『レンブラントの帽子』を?

なぜ、『レンブラントの帽子』を?
「マラマッド、地味な作家だね~」
と、言われることがあります。
けれど、そう言われることのほうがまれで、
「マラマッド? わからない」
と言われることのほうが多いです。
では、なぜ、『レンブラントの帽子』を、
刊行したいのか。
時計は、ずいぶん、さかのぼります。
2001年5月に出版された『文学が好き』
(荒川洋治 著 旬報社)という本があります。
私は、発売間もないころに、このエッセイ集を買い、
何度も何度も、読み返していました。
その中のエッセイのひとつに、
「21世紀への10冊」というものがあります。
荒川洋治が、「21世紀に読み継ぎたい10冊」
を選ぶのです。
その中の1冊が、『レンブラントの帽子』でした。
「マラマッドやシンガーの短編の世界を知ると、他のあらっぽいものでは
 とても楽しみが得られないと思ってしまう。」(『文学が好き』P200より)
しかし、当時は絶版で(1975年刊行)、
いろんな古本屋を探してみても、この本に出会うことが
できませんでした。
当時は、いまほど、ネット古書店は多くなく、また、
当時の私は、ネット古書店よりも、実際に古本屋に足を運ぶ
ことのほうが好きだったのです。
だから、世田谷の古書店で、この本に出会った時は、震えました。
本当はこんな本ないのではないか? くらいに思っていましたから。
1975年に集英社から出た『レンブラントの帽子』には、
8つの短編が入っています。
しかし、多くの短編集がそうであるように、すべてがよいわけでは
ありません。
けれど、表題作、「レンブラントの帽子」の良さは格別でした。
本当に、胸をうつ。
地味で、誰にでもおこる、他愛もない話なのに、心にしみる。
私は、以来ずっと、この短編はもっと読者に知られるべきだと思ってきました。
文学ファンにも、文学ファンじゃない人にも。
大傑作だと思っています。
本当に、もうすぐ出ます。
5月14日に取次納品の予定です。
どうか、よろしくお願いいたします。

いよいよ、レンブラントの帽子

いよいよ、レンブラントの帽子
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ブログの更新が、ずっと、滞っていました。
見に来て下さった皆様、すいません。
もちろん、遊んでいたわけではなく、
休んでいたわけではなく、
本をつくり、営業していたのです。
どうか、ご理解のほどを。
これからは、毎週1本は、必ず、
否、かなりの確率で、書きます。
小社の第一作目『レンブラントの帽子』のことで、
書きたいことが、たくさんあるのです。
今後とも、どうか、夏葉社をよろしくお願いいたします。
5月下旬には、書店に並びます。
配本予定の書店一覧は、追って、このブログで報告いたします。
装丁は、あの、和田誠さんです!

原稿があがるまで、あとちょっと。

原稿があがるまで、あとちょっと。
夏葉社の一作目、ようやく出口が見えてきました。
とはいっても、原稿だけで、周辺はまったく手つかずなのですが。
「夏葉社の本」の欄にも書いていますが、何度も、何度も、
読み返してもらえる本というのが、小社のモットーです。
油断するな、私。
今日は、ベテラン編集者さんが、ワインをお土産に遊びに来てくださいました。
ああ、ほんとに、ありがたいです。
なにせ、ひとりなもので。
ひとり酒の趣味はないのですが、本ができたときに、開けさせていただきます。
印刷等、もろもろ相談。
本の未来は明るいです。

出版業界の現況

出版業界の現況。
出版不況と言われ続けて、ずいぶんと久しいです。
では、実際、どうなの? と言うと、数字で見ても、
やはり厳しいです。
2008年4月~2009年3月の取次経由出版販売額は、
1兆9950億円。
2兆円産業の看板も、(ピークは96年は2兆6563億円)
来年には通用しなくなりそうです。
では、いったい、何が原因なのか。
それは、やはり多くの人が指摘しているように、インターネットと
携帯電話の普及にあると考えて、間違いないように思います。
私が大学生のころは、何かを調べるためには、必ず、書店、
ないしは、図書館に行かねばなりませんでした。
ゼミの宿題をこなすために、『有斐閣経済辞典』を。
名画を鑑賞するために、『ぴあ』を。
デートを成功させるために、『tokyoウォーカー』を。
CDの新譜情報を得るために、『ミュージックマガジン』を。
少なくとも、私は買っていました。
(『tokyoウォーカー』が活躍する場面はほとんどありませんでしたが・・・)
しかし、いまはそれらがなくても、それほど困りません。
それが、この10年の歳月というものだと思います。
情報以上のなにか。
ないしは、情報を100倍輝かせるなにか。
さらに、明らかに蛇足ですけれども、
情報を圧倒的に凌駕する、すばらしいなにか。
本づくり、がんばります。

登記の準備。

登記の準備。
台風の予感のさなか、法務局に提出する書類を
せっせと作っています。
登記に携わった経験があるとはいえ、なかなか、面倒くさい。
けれど、一方で、新しいことが始まるという嬉しさも
強烈に感じています。
窓の外は雨。
車が水しぶきをあげながら走る音が聞こえます。
中央線が走り去る音も。
ハイヒールがアスファルトに当たる音も。
ええと、つまり。
私を支えてくれている人たちに、この場を借りて、
感謝したいのです。
本当に、どうもありがとう。
僕はあなたたちに囲まれて幸せです。
自分のなかの一番良い部分を発揮できるようがんばりますので、
これからもどうぞよろしくお願いします。