『いのちの学校』

2015年11月27日

『いのちの学校』
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この秋、はじめて、オリジナルの企画ではない、
持ち込みの企画を本にしました。
それには理由があります。
弊社の出発点は、『さよならのあとで』という
1冊の詩集にあります。
それは死別し、遺された家族のための本で、
そこから、弊社の本づくりがはじまっています。
1冊の本が人のこころの支えになるのではないか。
そんな思いが、いまも弊社の原点です。
今回の『いのちの学校』という本の企画者は、
「いのちのミュージアム」というNPO法人です。
さまざまな事故、事件によって、家族を失った人たちが
運営している団体です。
彼らは東京都日野市の廃校を利用して、亡くなった家族を
模したパネルを展示しています。
故人と同じ身長のパネル、そしてその足元に、彼らが生前
履いていた靴が置かれ、パネルの胸元には、事件の説明と
メッセージが貼られています。
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写真:キッチンミノル
もちろん、これらはモニュメントというのではなく、
これらのパネルは、事件・事故のことを、そして、
命の大切さを伝えてくれています。
ときには、全国を移動しながら、多くの人たちに
生きることの意味を、話しかけるように伝えています。
こうした活動をされてきた「いのちのミュージアム」さまから、
15の事件と事故を扱った物語と、遺族たちが声をあげることによって、
変わっていった法律の解説を1冊の本にしたい、
『さよならのあとで』と同じように、持っていて大事にしたくなるような
本にしてほしい、といわれて、すぐにお引き受けしました。
これまで、持ち込みは一切お断りしていたのですが、今回だけは
ぼくもつくってみたかったのです。
とはいえ、完成したこの本は、弊社の書籍をお取り扱いいただいている
書店に、これまでと同じように並ぶわけではありません。
一部の本屋さん、ないしは、直接、注文をいただくような形での
販売を予定しています。
もしよかったら、書店で客注をいただけたら、うれしいです。
たくさんの人が読める、「いのちの教科書」を目指して、つくりました。
ほとんどの物語には、小学校高学年以上でも読めるように
ルビを振っています。
企画:いのちのミュージアム
著者:柳沢智子
デザイン:櫻井久、中川あゆみ(櫻井事務所)
イラスト:鈴木共子
写真:キッチンミノル
価格:1500円+税
版型:四六判並製/仮フランス装
頁数:176頁
ISBN 978-4-904816-17-2 C0036