『定本 本屋図鑑』

7月21日取次搬入で、『定本 本屋図鑑』を刊行いたします。

2013年の夏、弊社は『本屋図鑑』という本を刊行いたしました。
全国47都道府県の「町の本屋さん」を取材し、得地直美さんが緻密なイラストを描いた
その本は好評を博し、2度の増刷をしました。
個人的にも、全国を旅し、地域に根ざした本屋さんを自分の足で探して、取材した本ですので、
思い入れがあります。

その発売から9年、『定本 本屋図鑑』を刊行いたします。
『本屋図鑑』に収録された内容はそのままに、あらたに8店舗の新規取材を加え、
「本屋さんの歴史」を大幅に改稿しました。
(「スリップの歴史」と「本屋さんの一年」という新しい原稿もあります)
さらに、2014年に刊行し、品切れになっている『本屋会議』から評判のよかった記事を
6本加えました。
登場する書店は76店。全部で400ページ。
「本屋本」の決定版と宣伝したい、大ボリュームの1冊です。
ぜひ、お近くの書店でお求めください。


なお、本書の刊行を記念して、東京・荻窪のTitleさんで原画展がございます。
会期は7/15〜7/31です。
https://www.title-books.com/event/10221

また、東京の往来堂書店さんでは、「本屋この10年、変わったこと、変わらないこと」と
題したトークイベントを行います。
登壇するのは、往来堂書店店主の笈入建志さんとぼく(島田潤一郎)、
司会は本屋図鑑編集部の空犬太郎さんがつとめます。
店舗での観覧は締め切りましたが、Zoomでの視聴は可能です。
もしよかったら、ご参加ください。
http://www.ohraido.com/archives/11257

『定本 本屋図鑑』
著者:本屋図鑑編集部 編 得地直美 絵
装丁;櫻井久、中川あゆみ
価格:2000円+税
版型:四六判/ハードカバー
頁数:400頁
ISBN 978-4-904816-41-7 C0095


取次に納品する日は7月21日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『万感のおもい』



4月28日取次搬入で、万城目学さんのエッセイ集『万感のおもい』を
刊行いたします。

万城目さんといえば、長編小説のイメージがありますが、エッセイもまた
すばらしいのです。
もりだくさんのユーモアのなかに、一筋の叙情があるその世界は、
唯一無二のものだと思います。

本書は、さまざまな媒体で発表されてきたエッセイのなかから
42編を精選したものです。
創作のこと、大阪のこと、京都のこと、季節のこと、家族のこと。
なかでも、親しい人との別れを綴った数編は、いつまでも心に残ります。

『万感のおもい』の判型は、通常の書籍の縦横をちょうど逆にした形です。
めずらしい、横長のハードカバー。
装丁のストライプは、本書のなかにある「色へのおもい」から着想したものです。
プレゼントにもおすすめです。

ぜひ、お近くの書店でお求め下さい。

『万感のおもい』
著者:万城目学
装丁;櫻井久
価格:1600円+税
版型:四六判変形/ハードカバー
頁数:176頁
ISBN 978-4-904816-40-0 C0095


取次に納品する日は4月28日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

 

「みすず」読書アンケート特集



本を愛する人たちが毎年たのしみにしている「みすず」の
読書アンケート特集。
わたしも毎年、買っています。

今年は石原千秋さんが『私の文学渉猟』をとりあげてくださいました。
「何よりもどの文章も実に楽しそうに書いている感じがして、ほんとうに
羨ましい」との評。
『私の文学渉猟』は著者が文学を楽しんでいる文章を選んで、まとめた
1冊ですので、このような言葉をいただきうれしく思います。

一方、学者としての曾根先生の仕事は、『伊藤整とモダニズムの時代』
(花鳥社)にまとめられています。
こちらは同じ「みすず」で、武藤康史さんがとりあげてらっしゃいます。

読み応えたっぷりのこの冊子は税込み330円。
東京堂書店、ジュンク堂書店などでお買い求めいただけます。

『私の文学渉猟』が東京堂書店さんで1位に

2022年の1月18日調べの東京堂書店さんの売上ランキングで、
なんと、『私の文学渉猟』が1位となりました。

曾根先生は、神保町に通いつめ、東京堂書店を愛してらっしゃいましたので、
とてもうれしいです。

7位には、早田リツ子さんの『第一藝文社をさがして』も。

なお、同店の1月25日のランキングでは『私の文学渉猟』は5位でした。

すこし古い話になりますが、創業時、はじめての本をつくるときに考えていたのは、
東京堂書店さんとジュンク堂書店池袋本店さん、そして今はもうないですが、
和泉多摩川駅にあった「りろ書房さん」で取り扱ってもらえるような本をつくろう、
ということでした。

買ってくださった皆さま、ありがとうございます。

善行堂in奥渋谷

    



早田リツ子さんの『第一藝文社をさがして』の刊行を記念して、
渋谷のSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSさんで、
「出張善行堂」が開催されています。

『第一藝文社をさがして』の解説を書いてくださった、
京都善行堂店主・山本善行さんがこの本のために選んだ古書の数々、
ぜひ見にきてください。

また、この本を制作するために使用した第一藝文社の書籍も
展示しておりますので、ぜひ手にとってご覧ください。
書籍のなかで特に印象的だった、戦時中、用紙不足のために
卒業アルバムを見返しにつかった、『農村人口維持論』も飾っています。



ちなみにぼくが買ったのはこの本。
いさぎよいデザイン、本文のレイアウトもかっこよかったので。



こんな郷土人形も買いました。
1月30日まで。

『私の文学渉猟』『第一藝文社をさがして』



1月13日取次搬入で、曾根博義(1940―2016)『私の文学渉猟』、
早田リツ子(1945―)『第一藝文社をさがして』という2冊の本を
同時に刊行しました。

『私の文学渉猟』は日本近代文学研究者の著者がさまざまな
媒体に執筆した、文学と古本にまつわるエッセイ集です。
扱われる作家、本は昭和が中心で、かなりの古書マニアでないと
知らないような作家、本、雑誌がいくつも出てきます。

けれど、この本はそうした稀覯書を紹介する本ではありません。
古本のを買うという行為に焦点をあてた本でもありません。
本書が正面から描くのは、文学、書物の世界の奥深さです。

戦時下の文学全集の行方を追う「『新日本文学全集』と戦争下の出版状況」、
文学が広く一般読者に読まれる過程をひもとく、「文芸評論と大衆」、
開戦の日の小林秀雄の文章を考える「十二月八日――真珠湾――知識人と戦争」等々、
文学好きの読者に読んでほしいエッセイがいくつも収録されています。

400ページのボリュームで定価は2300円+税。
デザインは櫻井事務所の櫻井久さん、中川あゆみさん、
装画は樋口達也さんです。




『第一藝文社をさがして』は、女性史にかんする著作をもつ著者による、
出版社の稀有な評伝です。

第一藝文社とは戦前に伊丹万作、今村太平らの映画にかんする書物を刊行し、
杉山平一の『夜學生』などの詩集を刊行した、関西の出版社です。
出版社として活動した時期は約10年と短く、これまでその実態は謎に
つつまれていました。

著者は一通のメールから、地元の滋賀に存在した第一藝文社に興味をもち、
社主の中塚道祐の遺族のもとをたずねます。
そこで手にすることのできた中塚の私家本、図書館と古書店を通して触れた
刊行物をとおして、第一藝文社というひとりの編集者によって営まれた
出版社の理念と運命をあきらかにしていきます。

デザインは同じく櫻井事務所の櫻井久さん、中川あゆみさん、
装画は小川哲さんです。

本書は半透明のカバーに包まれていますが、本体はフルカラーの布張り
というめずらしい装丁です。
ぜひ、お近くの書店で手にとってご覧ください。





『私の文学渉猟』
著者:曾根博義
価格:2300円+税
版型:四六判・上製
頁数:400頁
ISBN 978-4-904816-39-4 C0095


『第一藝文社をさがして』
著者:早田リツ子
価格:2500円+税
版型:四六判・上製
頁数:312頁
ISBN 978-4-904816-38-7 C0095

『未来の図書館のために』




2月5日に前川恒雄さんの『未来の図書館のために』を刊行いたしました。
この本は昨年4月にお亡くなりになった前川さんの遺稿集です。

前川恒雄さんは2020年の1965年に東京都の日野市において、
初代の日野市図書館長をつとめ、市民が求める本を提供する
というその1点において、日本の図書館の性格を変えました。
それは一口にいえば、市民を教育・指導する図書館から、
市民の生活のそばにあり、市民とともに成長する図書館への
大きな転換であり、いまでは当り前とされる「リクエストサービス」も
日野の図書館において、最初にはじまりました。

『未来の図書館のために』は前川さんの図書館にたいする考え方、
現在の図書館にたいする思い、そして『移動図書館ひまわり号』では
書かれなかった、その後の前川さんの歩みを綴っています。
前川さんが最後に、読者、とくに図書館に携わるひとたちに伝えたかった
ことをまとめた1冊です。
あとがきは長女の文さんが書かれています。

『未来の図書館のために』
著者:前川恒雄
デザイン :櫻井久
装丁写真:漆原宏
価格:1800円+税
版型:四六判変形、上製
頁数:176頁
ISBN 978-4-904816-35-6 C0000

90年代のこと

 

 

11月7日取次搬入で、『90年代のこと 僕の修業時代』
という本を刊行いたします。
作者は、京都の書店「誠光社」店主、堀部篤史さん。

90年代といって、真っ先に思いつくのは、95年の
阪神淡路大震災。
それに、オウム真理教、酒鬼薔薇事件、ルーズソックス、
安室奈美恵などの名前を挙げれば、
「ああ、あの頃はそういう時代だった」
となんだか分かったような気持ちにもなります。

でも、あのころは、もっと豊穣な時代でした。
たくさんの音楽に溢れ、本に溢れ、インターネットが
まだ行き渡っていなかったのにもかかわらず、
雑誌などで膨大な情報を享受することができた時代でした。

いま現場の最前線で働く人たちの多くは、この時代に
自己を形成しているように思います。
90年代に学んだやり方で、店をつくり、ものをつくり、
商売をしています。

では、あの時代になにを学んだのか。
90年代にもっとも多感な頃を過ごした堀部さんが、
音楽、本、テレビ、町などを軸に、丹念に思い出し、
考察していきます。
そしてそれは最終的に、先鋭な書店論に変容していきます。

わたしたちはみな、90年代の子どもたち。
あの頃に青春時代を過ごした読者は、きっとそう思うはず。
それよりも若い読者は、当時の方法論がいまなお、脈々と
続いていることに、新鮮な思いを抱いてくれるのではないか、
と思っています。
これまでになかった、清新な私的文化論です。
ぜひ。

追伸
10月21日より、神保町の東京堂書店にて、
「90年代再考フェア」が開催されます。
堀部さん、そのころに青春を過ごした東京堂書店のIさん、
ぼくの3人で、90年代を考えるための本を選書しています。
お近くの方、ぜひご覧ください。

『90年代のこと 僕の修業時代』目次

・バック・トゥ・ザ・パラレルワールド
・走れ! 猟奇王 
・ミックステープづくりが僕の修業時代だった
・SNSがんばってる?
・写真には写らない居心地を求めて
・レンタルビデオショップのない午前一時
・街を変える小さなタウン誌
・なんかおもろいこと言えや!
・失われた「お昼休み」を求めて
・創刊号はチャールズ・マンソンと佐川一政をセットで 
・ヒップホップな本屋さん 
・美術館へ行くつもりじゃなかった
・ティッシュのあるフィクション、ないフィクション
・一九九六年、本屋は僕の学校だった

『90年代のこと 僕の修業時代』
著者:堀部篤史
挿絵;マメイケダ
価格:1600円+税
版型:四六判変形
頁数:144頁
ISBN 978-4-904816-30-1  C0095


取次に納品する日は11月7日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『山の上の家』

7月31日取次搬入で、『山の上の家』
という本を刊行いたします。
庄野潤三(1921〜2009)のはじめての
「作家案内」というべき1冊です。

庄野潤三は、戦後「第三の新人」の一人として
登場しますが、自分のまわりにある身近なテーマに
焦点を絞って、早くから自身の文学を確立しました。

初期の「プールサイド小景」、「静物」などの
味わいは格別ですが、傑作「夕べの雲」以降の、
長い創作活動を最後まで見ることで、はじめて、
庄野潤三という作家の大きさがわかります。

本書は、作家が長く暮らした家をカラーで
32ページにわたって紹介しています。
その他、

・巻頭文/佐伯一麦
・私のお父さん/今村夏子(庄野潤三 長女)
・父の思い出/庄野龍也(庄野潤三 長男)
・庄野潤三が家族を描いたスケッチ
・単行本未収録随筆(「わが文学の課題」)
・単行本未収録中編小説(「青葉の笛」)
・庄野潤三とその周辺 /岡崎武志
・「山の上」という理想郷/上坪裕介
・全著作案内/宇田智子・北條一浩・上坪裕介・島田潤一郎
・短編・随筆リスト
・山の上の親分さんとお上さん江/今村夏子(庄野潤三 長女)

などで構成されています。

弊社は2014年に『親子の時間』という、
作家の小説撰集を刊行いたしましたが、
そのあとがきにて、撰者の岡崎武志さんが

陰惨なニュースを聞くたびに、私は
「あーあ、庄野潤三を読めばいいのになあ」
と思うのだった。

と書かれていますが、まさにそう思います。
その文章の正確さ。家族にたいする愛情。
庄野潤三のような作家は、ほかにいません。
読むと、あたたかくなる本です。
書店にて、ぜひ。

なお、本書は川崎の生田にある庄野潤三の家が
一般開放されることにあわせてつくっています。
今年から、秋分の日、建国記念日の年に2日だけ、
「山の上の家」が一般開放されます。
仔細は追って、弊社ホームページにお知らせいたします。

『山の上の家』
著者:庄野潤三ほか
価格:2200円+税
版型:A5判変形上製
頁数:240頁(うち4色ページ34ページ)
ISBN 978-4-904816-28-8  C0091


取次に納品する日は7月31日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『神様のいる街』

4月25日取次搬入で、吉田篤弘さんの
『神様のいる街』という本を刊行いたします。

「周波数を探っていた。日曜日の深夜だった。
その時間帯だけ空気がきれいになる。」

こんな書き出しからはじまる、書き下ろしの
自伝的エッセイ。

「神様のいる街」とは、すなわち、神戸と神保町。
この2つの街を舞台に、著者の青春時代が瑞々しく
描かれます。
それは「自伝的エッセイ」でありながら、あたかも
物語のようです。

キーワードは、本と古本と結婚。
この上なく率直に描かれる物語の終盤は、感動します。

驚くほどにさっぱりした、美しいデザインは、
もちろん、クラフト・エヴィング商會によるもの。

通常の本よりも小さな本です。
吉田さんの幻の処女作『ホテル・トロール・メモ』
も収録しています。

書店にて、ぜひ。

 

『神様のいる街』
著者:吉田篤弘
価格:1600円+税
版型:四六判変形上製
頁数:128頁(うち2色ページ30ページ)
ISBN 978-4-904816-27-1  C0095


取次に納品する日は4月25日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。