90年代のこと

 

 

11月7日取次搬入で、『90年代のこと 僕の修業時代』
という本を刊行いたします。
作者は、京都の書店「誠光社」店主、堀部篤史さん。

90年代といって、真っ先に思いつくのは、95年の
阪神淡路大震災。
それに、オウム真理教、酒鬼薔薇事件、ルーズソックス、
安室奈美恵などの名前を挙げれば、
「ああ、あの頃はそういう時代だった」
となんだか分かったような気持ちにもなります。

でも、あのころは、もっと豊穣な時代でした。
たくさんの音楽に溢れ、本に溢れ、インターネットが
まだ行き渡っていなかったのにもかかわらず、
雑誌などで膨大な情報を享受することができた時代でした。

いま現場の最前線で働く人たちの多くは、この時代に
自己を形成しているように思います。
90年代に学んだやり方で、店をつくり、ものをつくり、
商売をしています。

では、あの時代になにを学んだのか。
90年代にもっとも多感な頃を過ごした堀部さんが、
音楽、本、テレビ、町などを軸に、丹念に思い出し、
考察していきます。
そしてそれは最終的に、先鋭な書店論に変容していきます。

わたしたちはみな、90年代の子どもたち。
あの頃に青春時代を過ごした読者は、きっとそう思うはず。
それよりも若い読者は、当時の方法論がいまなお、脈々と
続いていることに、新鮮な思いを抱いてくれるのではないか、
と思っています。
これまでになかった、清新な私的文化論です。
ぜひ。

追伸
10月21日より、神保町の東京堂書店にて、
「90年代再考フェア」が開催されます。
堀部さん、そのころに青春を過ごした東京堂書店のIさん、
ぼくの3人で、90年代を考えるための本を選書しています。
お近くの方、ぜひご覧ください。

『90年代のこと 僕の修業時代』目次

・バック・トゥ・ザ・パラレルワールド
・走れ! 猟奇王 
・ミックステープづくりが僕の修業時代だった
・SNSがんばってる?
・写真には写らない居心地を求めて
・レンタルビデオショップのない午前一時
・街を変える小さなタウン誌
・なんかおもろいこと言えや!
・失われた「お昼休み」を求めて
・創刊号はチャールズ・マンソンと佐川一政をセットで 
・ヒップホップな本屋さん 
・美術館へ行くつもりじゃなかった
・ティッシュのあるフィクション、ないフィクション
・一九九六年、本屋は僕の学校だった

『90年代のこと 僕の修業時代』
著者:堀部篤史
挿絵;マメイケダ
価格:1600円+税
版型:四六判変形
頁数:144頁
ISBN 978-4-904816-30-1  C0095


取次に納品する日は11月7日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『山の上の家』

7月31日取次搬入で、『山の上の家』
という本を刊行いたします。
庄野潤三(1921〜2009)のはじめての
「作家案内」というべき1冊です。

庄野潤三は、戦後「第三の新人」の一人として
登場しますが、自分のまわりにある身近なテーマに
焦点を絞って、早くから自身の文学を確立しました。

初期の「プールサイド小景」、「静物」などの
味わいは格別ですが、傑作「夕べの雲」以降の、
長い創作活動を最後まで見ることで、はじめて、
庄野潤三という作家の大きさがわかります。

本書は、作家が長く暮らした家をカラーで
32ページにわたって紹介しています。
その他、

・巻頭文/佐伯一麦
・私のお父さん/今村夏子(庄野潤三 長女)
・父の思い出/庄野龍也(庄野潤三 長男)
・庄野潤三が家族を描いたスケッチ
・単行本未収録随筆(「わが文学の課題」)
・単行本未収録中編小説(「青葉の笛」)
・庄野潤三とその周辺 /岡崎武志
・「山の上」という理想郷/上坪裕介
・全著作案内/宇田智子・北條一浩・上坪裕介・島田潤一郎
・短編・随筆リスト
・山の上の親分さんとお上さん江/今村夏子(庄野潤三 長女)

などで構成されています。

弊社は2014年に『親子の時間』という、
作家の小説撰集を刊行いたしましたが、
そのあとがきにて、撰者の岡崎武志さんが

陰惨なニュースを聞くたびに、私は
「あーあ、庄野潤三を読めばいいのになあ」
と思うのだった。

と書かれていますが、まさにそう思います。
その文章の正確さ。家族にたいする愛情。
庄野潤三のような作家は、ほかにいません。
読むと、あたたかくなる本です。
書店にて、ぜひ。

なお、本書は川崎の生田にある庄野潤三の家が
一般開放されることにあわせてつくっています。
今年から、秋分の日、建国記念日の年に2日だけ、
「山の上の家」が一般開放されます。
仔細は追って、弊社ホームページにお知らせいたします。

『山の上の家』
著者:庄野潤三ほか
価格:2200円+税
版型:A5判変形上製
頁数:240頁(うち4色ページ34ページ)
ISBN 978-4-904816-28-8  C0091


取次に納品する日は7月31日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『神様のいる街』

4月25日取次搬入で、吉田篤弘さんの
『神様のいる街』という本を刊行いたします。

「周波数を探っていた。日曜日の深夜だった。
その時間帯だけ空気がきれいになる。」

こんな書き出しからはじまる、書き下ろしの
自伝的エッセイ。

「神様のいる街」とは、すなわち、神戸と神保町。
この2つの街を舞台に、著者の青春時代が瑞々しく
描かれます。
それは「自伝的エッセイ」でありながら、あたかも
物語のようです。

キーワードは、本と古本と結婚。
この上なく率直に描かれる物語の終盤は、感動します。

驚くほどにさっぱりした、美しいデザインは、
もちろん、クラフト・エヴィング商會によるもの。

通常の本よりも小さな本です。
吉田さんの幻の処女作『ホテル・トロール・メモ』
も収録しています。

書店にて、ぜひ。

 

『神様のいる街』
著者:吉田篤弘
価格:1600円+税
版型:四六判変形上製
頁数:128頁(うち2色ページ30ページ)
ISBN 978-4-904816-27-1  C0095


取次に納品する日は4月25日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『ふたりっ子バンザイ』

12月13日取次搬入で『ふたりっ子バンザイ』
という写真集を刊行いたします。

著者の石亀泰郎さんは、なんといっても、
傑作写真絵本『イエペは ぼうしが だいすき』(文化出版局)
によって知られています。

石亀さんはたくさんの写真集を出されていますが、
それ以外にも、うちの書棚にある本でいうと、
函入の『定本 育児の百科』(松田道雄著・岩波書店)や、
『詩の世界』(高田敏子著・ポプラ社)などにも、
すばらしい子どもたちの写真を寄せています。

石亀さんはデビューからずっと、一貫して、
子どもたちの写真を撮ってきたのです。

今回弊社が復刊するのは、そのデビュー作。
オリジナル版は1965年に「こども部屋社」
という出版社から刊行されています。

『ふたりっ子バンザイ』は若き日の石亀さんが
ふたりの息子たちを写した、数年間の記録です。
昭和の小さな家のなかで、子どもたちは笑い、泣き、遊びます。
そしてページをめくっていくと、少しずつ、成長していきます。
下の子が幼稚園に通いはじめるシーンを見ると、胸があつくなります。

新書版、ハードカバーという珍しい判型です。
プレゼントにも向いています。
ぜひ書店にてお求めください。

 

 

 

『ふたりっ子バンザイ』
著者:石亀泰郎
デザイン :櫻井久
価格:2000円+税
版型:新書判上製
頁数:120頁
ISBN 978-4-904816-26-4  C0072


取次に納品する日は12月13日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

『埴原一亟 古本小説集』

8月24日取次搬入で『埴原一亟 古本小説集』
という本を刊行いたします。

埴原一亟と聞いて知っている人は、よほどの
文学通だと思います。
読み方は、はにはら・いちじょう。
戦前に3度も芥川賞にノミネートされるも
いずれも受賞を逃し、古本屋や保育園を
経営しながら、ずっと小説を書き続けました。

この作家を知ったのは『昔日の客』のときと同じく、
京都の古書店「善行堂」主人、山本善行さんが
きっかけです。
「埴原はいいよ」と聞き、さっそく古本屋さんで
この作家の短編集を買い求め、そして作家の
実直な小説世界に夢中になりました。

小説は、おそらく埴原の実生活がベースになっており、
主人公は東京のはずれで小さな古本屋を営んで
その経営に四苦八苦したり、または「せどり生活」に
思い悩んだりします。

大傑作だとはいいません。
しかし、埴原一亟が描く小説世界にひたっていると、
文学はいいなあ、本はいいなあ、としみじみ思います。

日本の文学の片隅に、埴原一亟という作家がいた、
と知るだけで、きっと、なにか心に満たされるものが
あるはずです。

撰者は、山本善行さん。
ぜひ書店にてお求めください。

 

 

『埴原一亟 古本小説集』
著者:埴原一亟
デザイン :櫻井久
価格:2200円+税
版型:四六判上製
頁数:272頁
ISBN 978-4-904816-25-7  C0093


取次に納品する日は8月24日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

善行堂 吉祥寺店

7月に開催しました「ホホホ座吉祥寺店」は
たくさんのお客さまに来ていただきました。
来てくださったみなさま、ありがとうございました。
山下さんもとても喜んでらっしゃいました。

弊社事務所が1日本屋さんになるこの企画、
好評につき、第2弾を8月27日(日)に開催いたします。

今回吉祥寺に出店くださるのは、「古書善行堂」さんです。
上林暁の『星を撒いた街』『故郷の本箱』の2冊の撰者を
つとめていただいた、山本善行さんが営む京都の古書店です。

山本さんには弊社の5周年のイベントにも出店いただいたのですが、
そのときのラインナップと価格は、古本好きを喜ばせる、すばらしいものでした。
今回も

「あのときの善行堂すごかったな」と後々まで言われるようなイベントにしたい。
いろんな好みの人に合わせるのがむずかしいが、そこは自信あります。

とおっしゃっているので、いまから待ち遠しいです。

文芸書の古本がお値打価格で並ぶと思います。
オープン時間は12時〜19時。
ぜひ遊びに来てくださいませ。
もちろん、予約など不要です。
山本さんとふたりでお待ちしております。

なお弊社へのアクセスは、吉祥寺駅から歩いてだと15分。
バスだと5分ほどです。
吉祥寺駅の北口から出ている西武バスを利用し、
「武蔵野第四小学校」でお降り下さい。
西武バスであればすべてその停留所で停車します。
吉祥寺駅から3つ目です。
停留所から1分ほど北に歩いていただければ、
道沿いに「ホホホ座吉祥寺店」を見つけることができるはずです。

汚い地図は下記のとおりです……。

ホホホ座吉祥寺店

7月23日の日曜日、11時から19時まで、
1日だけ、弊社事務所が「ホホホ座吉祥寺店」
になります。

『ガケ書房の頃』の山下賢二さんが京都で運営する
「やけに本が多いお土産屋」がホホホ座です。
京都を代表する、個性的なお店のひとつです。
ぼくにとっては、「やけに欲しい本が多いお土産屋」。
楽しい本屋さんだと思っていただいてかまいません。

この日一日だけ、弊社事務所に、ホホホ座で人気の
ある新刊書籍と、山下さんの古書がたくさん並びます。
一般的な書店ではあまり見かけないリトルプレスや、
男前な、かっこいい古本など。
お祭り気分で、ぜひ遊びに来てくださいませ。
もちろん、予約など不要です。
山下さんとふたりでお待ちしております。

なお弊社へのアクセスは、吉祥寺駅から歩いてだと15分。
バスだと5分ほどです。
吉祥寺駅の北口から出ている西武バスを利用し、
「武蔵野第四小学校」でお降り下さい。
西武バスであればすべてその停留所で停車します。
吉祥寺駅から3つ目です。
停留所から1分ほど北に歩いていただければ、
道沿いに「ホホホ座吉祥寺店」を見つけることができるはずです。

汚い地図は下記のとおりです……。

連載ページ

6月26日の月曜日から、弊社HPに「連載」のページが
あらたに加わりました。

原稿の書き手は、京都の書店「誠光社」の堀部篤史さん。
『冬の本』にも原稿を寄せてくださった、書店店主であり、
すぐれた書き手でもあります。

堀部さんとぼくとは年がひとつ違いで、ぼくは1976年、
堀部さんが1977年生まれです。
ぼくたちが学生のころはまだ、それほどインターネットは
普及しておらず、なにか新しいものを知ろうとするときは、
どこかに出かけなければなりませんでした。
本屋さんや、ライブハウスや、映画館。
または、たまり場になっているどこかのお店。

この「サイエンス・フィクションみたいな昔話」は、
そうした90年代を振り返ることによって、いまの時代と
つながっている何かを浮き彫りにする試みです。

堀部さんに連載を依頼し、ようやく形にすることができました。
挿画はマメイケダさん。
1年間、続きます。

毎月第4月曜日に更新いたします。
お読みいただけたらうれしいです。

『すべての雑貨』

4月21日取次搬入で『すべての雑貨』
という本を刊行いたします。

著者は、西荻窪の雑貨店「FALL」の店主、
三品輝起さんです。
この本がデビュー作となります。

三品さんの素晴らしさをどう説明すればいいのか、
いつも迷うのですが、まず、FALLという店が
素晴らしいのです。

しかし、この本は雑貨の良さを語る本ではありません。
21世紀に入って爆発的に増えた雑貨屋、
さらにいえば、雑貨とはなにか? を一から考えた本です。

「世界がじわじわと雑貨化している気がする。
これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。
それまでは雑貨とみなされてなかった物が、
つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ。」

昨今、本もまた雑貨のように扱われるときがあります。
本だけではありません。レコードも、美術も、実用品も、
なにもかもが雑貨のように扱われる。
というか、雑貨のように見える。
雑貨化した社会。

原宿にあった文化屋雑貨店、デンマークのレゴ、ムーミン、クンデラ、
ガルシア=マルケスらを引用しながら雑貨の来し方・行く末を考える
縦横無尽の論考は新鮮で、読んでいると知恵熱が出ます。
雑貨を考えると現代が見えてくる。
そう云っても過言ではありません。

文章もすばらしいです。
雑貨屋さんをやりたいという人、雑貨が好きな人、
現代の消費文化を考えたい人、おもしろい本が読みたい人、
とにかく、いろんな人にお勧めしたいです。
書店店頭にて、ぜひ。

 

『すべての雑貨』
著者:三品輝起
デザイン :櫻井久、
価格:2000円+税
版型:四六判上製変形
頁数:288頁
ISBN 978-4-904816-23-3 C0036


取次に納品する日は4月21日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。

 

 

『東京の編集者』

『東京の編集者』

 

4月21日取次搬入で『東京の編集者』
という本を刊行いたします。

著者は、木版画家の山高登さん。
山高さんは昭和53年に『昔日の客』をつくった
編集者でもあり、弊社にとっての恩人です。

山高さんは戦後間もなく、新潮社に入社され、
内田百閒、尾崎一雄、上林曉、香月泰男らの本を
担当されました。
今年91歳になった山高さんに、その美しい本作り、
作家とのエピソードについて聞き書きいたしました。
武井武雄、谷内六郎、島村利正、小沼丹らも登場します。

『東京の編集者』にはそのほかに、いくつかの書影、書票、
そして、山高さんが撮影したすばらしいモノクロ写真が
32ページにわたって収録されています。

計148ページの贅沢なバラエティブックです。
ぜひ、店頭でご覧くださいませ。


なお、この本の発刊を記念して、4月14日から
5月21日まで新宿のハイジア1Fで、
「東京を写す。東京を彫る。―昭和の編集者・山高登の世界―」
という展示が開催されます。
書籍には掲載されていない木版画作品、写真、書票が
多数展示されます。
こちらもよかったら、ぜひご覧ください。
入場無料です。

 

『東京の編集者』
著者:山高登
デザイン :櫻井久
価格:2300円+税
版型:A5判上製変形
頁数:148頁
ISBN 978-4-904816-24-0 C0095


取次に納品する日は4月21日ですが、
その日に一斉に書店店頭に並ぶという
わけではありません。流通の関係で、
書店での発売日はマチマチです。
取次納品日から1週間〜2週間かかる
場合もございます。
ご注意ください。